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hydrakecat’s blog

Walking like a cat

DroidKaigi を終えて

去年の年末あたりから運営として関わっていた DroidKaigi が無事に終わった。備忘録がてら、準備および当日を通して感じたことを、掻い摘んで書きたい。やー、ようやく終わった。

準備期間

たしか事の発端はとある勉強会の懇親会だったように思う。最初は Droidcon Tokyo をやって Jake 呼びたい、みたいな他愛もない話だった。で、一ヶ月後くらいに唐突にチャットに招待され、年の瀬に第1回のミーティングが開かれたのだった。

まずは1日で終わるくらいの開発者中心のカンファレンスをやろう、という話でまとまったのだが、そのときからコンセプトは「開発者の、開発者による、開発者のための Android カンファレンス」と決まっていて、最後までそのコンセプトがぶれなかったのが、いま思い返しても時々の判断の基準になって良かったように思う。

その後は Slack と GitHub ベースで準備を進め、顔を合わせる運営ミーティングは月1くらいだった。issue をアサインして進めるやり方は、いつも GitHub を使っているメンバーには馴染みがあり、Slack 上で議論になると issue を立てて個別に話し合うスタイルが定着していた。

議論が紛糾したときは運営委員長の @mhidaka さんが決める、ということにしていたのだけれど、これも良かった。議論好きはエンジニアの性とはいえ、細かい話と全体の両方を見ながら舵取りするのはほんとうに大変だったと思う。おつかれさまでした。

実は、第1回のミーティングの後に、少数の人に負担が集中しないか、という懸念が挙がったのだけれど、蓋を開けたら、みんな精力的に動いてくれて、嬉しい誤算だった。要因は色々あると思うけれど(「圧倒的当事者意識」が合言葉だったり、定期的に issue を棚卸ししてくれる人がいたり)、GitHub と Slack というツール選択がわりと良かったのではないかとひそかに思っている。日中も誰かが何か作業していると細かい単位で通知が飛んでくるので、キャッチアップがしやすいし、なにより自分もやらないと、という気分になる。これがメーリングリストやミーティング中心だと、1回当たりの情報量が多くなる分、フォローする作業自体が重くなってしまう。

自分の担当

さて、自分がなにをやったかというと、

  1. Call For Paper の草案作成
  2. T シャツ作成
  3. DroidKaigi アプリの作成
  4. ルーム B の司会

という感じで、準備の方にだいぶ時間を割いた分、当日のオペレーションについてはほとんど他のメンバーにお任せしてしまった。

T シャツは、Twitter などで要望が多かったので、軽い気持ちで挑戦したのだが、初めての経験ということもあって各方面にかなりご迷惑をかけてしまった。以前 GoCon T シャツを作ってくださった FreeGufo さんと面識があったので、知り合いのよしみでお願いしたのだが、かなり無理を聞いていただいた。この場を借りて厚く御礼を申し上げたい。また、T シャツを買ってくださった皆様、本当にありがとうございます。中には当日参加できないにも関わらず買ってくださった方もいるようで有難い限りである。

ところで、DroidKaigi アプリについては、実質1週間くらいしか作成期間がなくて、当日のファイアーサイドチャットで冗談めかしてそのことを言ったら、まるで @mhidaka さんが無茶ぶりしたような印象を与えてしまったようなので、釈明したい。元々は、ABC のアプリのコードをベースに、できるところまでで良い、という話だったのだ。ただ、やっぱり、DroidKaigi を名乗って出す以上、中途半端なものは出せない、という自己満足から、ややデスマってしまったのであって、完全に自業自得である。それでも運営メンバーに手伝っていただいて、本当に助かった。メンバーが全員開発者だったからこそ、できたと思う。最終的にバグを残して出さざるを得なかったのが痛恨の極みだけれど、さきほど修正を作ったし(まだ Play Store に反映されていないようだが)、次回はもっと良いものにできると思う。

DroidKaigi の意義

Android アプリ開発者は、孤独だ。少なくとも、ちょうど一年前に Android エンジニアになったばかりの自分はそうだった。ドキュメントは公式ドキュメント以外ほとんどないし、ググって見つかる情報もどこまで信用できるか分からない(画面回転させると落ちるから画面方向を固定せよ、と言われても、画面回転以外で落ちない保証があるのだろうか)。バージョンによって挙動が変わるので、古い情報は信用できないし、かといって SyncAdapter のような新しい機能は使っている例がなくて、本当にこれで良いのか不安になる。

結局、SDKソースコードを読んだり、信頼のある情報源からベストプラクティスを学んでいくのだけれど、最初は、なんというか、原理の分からない空飛ぶ魔法の絨毯に乗っているようで、とても不安だったのを覚えている。

DroidKaigi がこれだけ盛況だったのは、そういう不安や孤独の裏返しなのかもしれない、と懇親会で話をしていて思った。小さな勉強会はなんだか内輪でやっていて入りにくいけれど、大きなカンファレンスなら参加しやすいし、著名な方の話を聞くこともできる。開発者中心だから、懇親会で普段疑問だったことも聞けるだろう。

Android というプラットフォームは、端末やバージョン互換性、メモリが小さいという面倒な問題を宿痾のように抱えていて、用意されている SDK の仕組みも洗練されているとは言い難い。iOS のシェアが大きい日本では日本語資料が豊富でないというハンデもある。その中で、すこしでも Android アプリを開発しやすい環境を整えることに一役買えたのなら、開催の意義はあっただろう。

この後、DroidKaigi がどうなるか分からないが、海外でも行われている Droidcon や Devoxx とは異なる、ローカルなカンファレンスとして、日本で Android アプリ開発を盛り上げる存在になっていったら良いな、と思っている。